パス。



大学4年生の時の、スピーチコンテスト前日までトレーニングを受けてたその一ヶ月のことを思い出させられた。
アクセントやイントネーションを直してくれるのがありがたかったが、
おおげさな動きまでさせられて困った。


レーニングの間は、なんとかごまかせてたが、
コンテスト当日は、見事に裏切った。申し訳なくは思ったが。


でもー、いやなものはいやだから。


5分間のスピーチが終わり、次は質疑応答。
スピーチが完璧にできても、これだけは万全の準備はできないので、さすがに緊張してきた。
審査の一人の先生(理事長だったけ)がゆーーっくりマイクを手に取ったところを見て、
一文字も聞き漏れないようによーーく聞いたら、


「えっ...さっきのスピーチの内容がその答えじゃん...」


まるで私のスピーチを聞いていなかったような質問にfaint。
私の日本語が通じなかったのかな?


思わず、「さっきスピーチの中で申し上げたように...」を口に出してしまった。
そして次の瞬間に、「あっ、やばい」と気づいた。


応援に来てくれたみんな、ごめんなさい。
kit-kat(「きっと勝つ」の意味だったんだ)をくれた先生方、ごめんなさい。


心の中で苦笑しながらステージから降り、選手席に着いたとたん、
長時間緊張しすぎてたせいか、胃が急に痛くなってきた、人生初めて。


倒れ込んでるような姿勢で席で、残りの選手のスピーチをぼーっと拝聴。
その後、最後に無理して席から立って、ほかの選手たちとステージで一列に並んで、結果発表を聞いてた。


見事に、3位もout。


まあね、さっき致命的な一言を自分がしゃべったからね。
学校の同級生や先生に申し訳なく思ったけど、もともとスピーチというものにが苦手な人間で、
(自分が代表して参加することを何回も婉曲に断ろうとしたけどね)、
しかも、そもそも、競争には全般的に不向きだからね。


そんな体験をして4年後、日本でスピーチコンテストを聞くチャンスがあった。
あれから少しでも変わっているといいな、という思いで行ってみたら、ガッカリ。
スピーチコンテストって、なかなかカワラナイものだね。


審査の基準なんかには正直関心ゼロ。
それより、いったいスピーチコンテストで何を評価しようとしているのかが疑問。


大金を使って、シナリオみたいなセリフを期待して言わせるより、
選手その人間が言いたいことを言わせてあげるなどもっと「個」というものが表れるイベントのほうがよほど面白いのでは?


ということもあり、今回の申込書、だれかに挙げちゃおうー